┏━━━━━━━━━ 辞 書 編 ━━━━━━━━━┓      ┃ ┃      ┃ アルファベット(H〜Z) ┃      ┃ ┃      ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ■Habitat (→ 26: 文章編13 参照) ■High C Compiler TOWNSの標準開発言語の1つ。富士通からライブラリなどをセットにし たCD-ROMパッケージが発売されている。 もともとは米国MetaWare社が開発したANSI企画準拠のCコンパイラで, インテルの386/486シリーズ用のネイティブプログラム(そのCPUの最も得 意なモードで動作するプログラム,といったような意味)を生成できる。言語 仕様は悪くないが,いかんせん開発環境が整っていないため,初心者が手を染 めるC言語としてはやや敷居が高い。 ■i386 1991年型までのTOWNSで採用されていたインテル社の32ビットCPU。 外部バス32ビットのi386(i386DXともいう)と,外部バス16ビットのi386S Xがある。TOWNSにはすべてi386SXが採用されているように表記した文 献が当時まま見られたが(正しくは,UXタイプを除くといずれもi386DXだ った),資料をちゃんと写せないという仕事の杜撰さ以上に, '89年2月末に 発表されたパソコンにi386SXが搭載されたはずがないという推理力の欠如に ついて,やや恥ずかしい。 ■IBM 現在に至るも,世界最大のコンピュータメーカー。巨大企業だけに,昨今の 不況による痛手も人一倍大きそうだ。しかし,その関連会社である日本アイ・ ビー・エムは,DOS/Vの好調で鼻息が荒い。ちなみに,映画「2001年宇宙 の旅」に登場したコンピュータ,HAL9000の「HAL」というのは,「IB M」のスペルを前に1つずつずらしたものだという説あり。 ■IC (→ 14: 文章編1 参照) ■ICメモリカード より薄くて軽いメディアを必要とするノートパソコンなどで採用され始めた, 名刺大のメモリカード。ソフトの販売,データのセーブ/ロードなど,要する にFDの代わりに使われる・・・・ものが,なぜかTOWNSでは初代以来標準で 利用できるようになっている。開発時に,MS-DOSをICメモリカードで 提供する心づもりがあり,その企画は流れたもののスロットだけが生き残った もの,らしい。このため,セカンドマシンにFMR-CARDやOASYS-P ocket3を選択するのは,TOWNSユーザーにとって非常にリーズナブルと いえる。 なお,国内のパソコン用ICメモリカードの規格を決定するのが日本電子工 業振興協会(JEIDA)で,最新の規格はJEIDA Ver.4.1である。 ■I/O,I/O機器,I/Oポート,I/O空間 (→ 15: 文章編2 参照) ■IPL (→ 17: 文章編4 参照) ■JEIDA (→ 03: ICメモリカード の項参照) ■LAN Local Area Network。(→ 17: 文章編4 を参照・・・・しても,たいしたこ とは書かれていない。この辞典全体を読み直したところ,隊員B氏にしても私 にしても,ネットワーク関係にはあまり強くないようだ。) ■LSI (→ 14: 文章編1 参照) ■Macintosh アメリカ,アップルコンピュータが製造,販売するパーソナルコンピュータ。 トースターをイメージさせる独自のデザインとハイセンスな独自のGUI環境 でアピールし,GUIというものがいかに使いやすいものであるかを証明した。 それにも関わらず,いまだにNo.2の地位に甘んじているのは,GUIでは扱 いきれないこともこの世にはたくさんあるためである。 (付記:と書いてから2年。シェアは延びたが独自性は薄れた。今では立派な オフィスコンピュータの顔をしている。) ■Mac貧乏 Macはかっこいい。Macはオシャレである。MacはDTP(デスクトップパ ブリッシング),DTM(デスクトップミュージック)など,プロ並みの環境 が楽しめる。そのため,夏のボーナス,冬のボーナスを,ソフト,プリンタ, アクセラレータ,などなどなどに次々つぎ込んでいくハメに陥ることをMac貧 乏という。自己破産を宣告し,1年間新しいソフトもハードも購入できなかっ たMacユーザーの,目は遠くを見ている。 ■Marty (1)「中途半端」を表す形容詞。(2)ワニ科のコンピュータ。兄の足を引っ張 る力だけ,強い。 ■MASM 「エムアセム」と読む。アセンブラ(マシン語プログラムを開発するためのプ ログラム)の商品名。(→ 18: 文章編5 参照) ■MD Mini Disc。(またしても)ソニーが開発した,直径64mmの光磁気ディス クを用いる録音/再生システム。パソコンでの可能性は未知数。なにしろ,数 が正義の世界だけに。 (付記:と書いて2年。やはり,その可能性は未知数のままである。) ■MIDI Musical Instrument Digital Interfaceの略。ローランド,ヤマハをは じめとする日本の楽器メーカーが1983年に提唱し,やがて世界的な標準規格と なった,電子楽器を制御するための規格。(→ 19: MIDI の項参照) ■MMI(マン・マシン・インタフェース) (→ 20: 文章編7 参照) ■MML Music Macro Language。ミュージックツールで音楽演奏データを作成す る際の,楽譜にあたるデータの一形式。テキストエディタで,曲のテンポ,音 長,音色,音量,音程などを指定する,一種の言語になっているため,こうい う名称になっている。 たとえば, T120L4@14V10O5CDEFG と書けば,テンポ120,4拍子,14番の音色,ボリュームは10,オクターブは5 でドレミファソと鳴らす,といった具合(ツールによって,コマンドやパラメ ータがいろいろ違うこともある)。 F-BASIC386やHEatでは音楽演奏データを作成するのにMMLを使用 しており,とくに後者は変態的なまでにさまざまな指定が可能なため,一部の ミュージッカーたちに強い支持を受けている。 ■MO(光磁気ディスク) (→ 16: オプティカル・・・・ の項参照) ■MS-DOS (→ 21: 文章編8 参照) (→ 22: 文章編9 参照) ■MS-Windows (→ 21: 文章編8 参照) ■NeXT アップルコンピュータを追い出されたスティーブン・ジョブズが作った,黒 くて四角くてソフトも見栄えのいいエンジニアリングワークステーション。あ まり売れていないが,こういう神世代の人々が作ったモノは悪口を言ってはい けないことになっている。 (付記:その後,いろいろあった。) ■NIFTY-Serve ニフティ(日商岩井と富士通の共同出資会社)が運営する商用パソコン・ワ ープロ通信ネットワーク。 '87年4月サービス開始。会員数は '92年6月末で 38万人,アクセスポイントは全国150 か所,同時アクティブ回線数3000,総回 線数5000,内部で運営されるフォーラム数245 ,データベース数国内外約1000 におよぶ。サービス提供時間は原則的に24時間,基本料金は10円/分。 (付記:現在,会員数はさらに破天荒な数字になってしまった。しかし,私に とって,データベース等の使いにくさも破天荒なままである。) ■ODP Over Drive Processorの略。CPUを高速化した場合,CPUにバスに よって接続されるメモリなどがCPUに追いつかない,あるいは追いつくもの を準備するとシステムが高価になる,という問題が派生する。そこで,インテ ルは,CPU内部のクロックだけ倍にして,演算を速めるという手法を開発し た。それが倍速CPUである。しかも,巧妙なことに,浮動小数点演算コプロ を内蔵しない486SXチップを,ハナからこの倍速のODP(コプロ内蔵)を 装着できるように設計,装着時はもとの486SXが停止して,制御がODP側 に全面的に移るような製品構成を考案した。このODPのヒットは,同時に, CPUアクセラレータの大ブームを引き起こすこととなった。 ■OEM 「オーイーエム」と読む。Original Equipment Manufacturerなどとフルス ペルに戻すと,雨の月曜日のように気分が重くなり,それを「相手先商標製造 会社」などと翻訳しようものなら,目の前が真っ暗になってしまう。 しかし,あらゆるものごとは,言葉で脅されるほどには複雑ではない。「あ る製品をAという会社が製造し,それをBという会社が自分のところのブラン ド商品として販売する」ことはコンピュータ業界などでままあることだが,そ の製造会社や製品を示す言葉がOEMである。ここでいう製品とは,パソコン 本体のように単体でショップで売られる商品のこともあれば,商品の一部品を 示す場合もある。部品といっても,たとえばCD-ROMドライブのようにあ る程度まとまった部分についてならともかく,シャーシの一部だのチップだの といった全くの部品についてはあまりOEMとはいわない。 ■Oh!FM,Oh!FMTOWNS かつてはドラゴンであった。今は・・・・さて。 ■OS (→ 21: 文章編8 参照) ■PCM 生の音をCDやDATのようにデジタル録音する,サンプリング技術の一種。 難しくいうと「Puls Code Moduration(パルス符号化変調)」のことだが, とても難しいので技術的な詳しいお話はパス。 なお,ADPCMというのは,サンプリングした波形を記録するにあたって, 前の振幅と次の振幅の差分を記録するようにして,少ないデータ量で高音質が 得られるように工夫したもの(ただし,ADPCMの場合はそのデータ構造か ら,周波数を変えること,すなわち楽器としてメロディ演奏に使うには難点が ある)。 ■PDS(Public Domain Software) 直訳すると「大衆の所有であるところのソフトウェア」,すなわち,著作権 を放棄したプログラムやデータのことをを示す。(→ 09: フリーソフトウェア の項参照) ■PhotoCD コダック社が行っている,写真データのCDへの焼き込みサービス,ならび にその仕様。コダック社と提携している写真店に,ネガフィルム等を持ち込ん で依頼すると,1枚のCDに100点まで収録してくれる。1点1点のデータは, 小さいものからポスター大まで,いくつかのパソコンで扱える形の画像ファイ ルとして収録され,Windows上のビューアー(市販)などで表示,加工できる。 ■RAM 「ラム」と読む。Random Access Memoryの略で,アドレスを指定すれば直 接読み込み・書き込みともに可能なメモリ。 ■RISC RISC(Reduced Instruction Set Computer)を直訳すれば,縮小命 令セットコンピュ−タとなる。 CPUの善し悪しを決める要素はさまざまだが,アセンブラでプログラムを 組むことが多かった時代では,その命令体系がプログラマに扱いやすいかどう かが1つの大きなポイントになっていた。そのため各CPUメーカーは,1命 令で多数の仕事をこなす複雑な命令をこぞって採り入れ,CPUの命令数は増 大の一途をたどっていた。しかし,そのような複雑な命令をもったCPUでは 高速化に限度があることが明らかになり,そこに登場したのがRISCである。 RISCとは,単純で少数の命令のみのコンピュ−タとし,それによってC PUの構造の大幅な簡略化をはかり高速化に成功したCPUのことをいう。こ のような技術の背景には,プログラムがアセンブラに代わり,高級言語で記述 されるようになったことが大きい。単純で能力の低いRISCの命令体系を巧 みに利用できる最適化コンパイラなくしてはRISCの登場はありえなかった といえよう。 このようなRISCに対し,それ以前の複雑な命令体系をもったCPUをR ISCと区別する意味でCISC(Complex Instruction Set Computer) と呼ぶ。 ■ROM 「ロム」と読む。Read Only Memoryの略で,読んで字の如く,読むことは できるが書き込めないメモリのこと。 ■RPG (1)ウルティマタイプとウィザードリィタイプがあるもの。(2)Report Pro gram Generatorの略。IBMが開発した報告書作成用の簡易言語・・・・のこと だったのだが,今ではどうなっているのかよくわからない。よくあることだ。 ■RS-232C (→ 19: 文章編6 参照) ■SASI/SCSI (→ 19: 文章編6 参照) ■TownsGEAR FM TOWNSに標準添付されるハイパーテキストツール。当初はすべて のTOWNSユーザーが手軽に使えるマルチメディアプログラミング環境とい ったノリで紹介されたフシがあるが,残念ながらそのような方向には進まず, GearBASICの拡張,REX(外部マシン語サブルーチン)の強化,子プ ロセスとしてEXPプログラムを起動,等々,日毎にプロないしセミプロ専用 のオーサリングツールとしての色合いを濃くしている。早い話が,素人が手を 出してもなかなか難しい,ということ。 最近はプロ仕様のGearPOWERなる商品も登場。こちらはランタイムを 分けることによって同じデータをTownsOS上でもWindows上でも見られると いう特徴がある。(→ 09: ハイパーテキスト の項参照) ■TRON 東京大学の坂村健助教授が提唱した,純国産の総合的コンピュータシステム。 電気製品に組み込む制御チップから,パソコン,大型コンピュータまでをネッ トワーク化して統一した環境下におくことが目的で,そのために専用32ビット CPUからハードウェアの形状,OSまですべてを設計,開発するという壮大 な構想であった(思わず過去形で書いてしまったが,現役のプロジェクトであ る)。 140社以上の企業が参加した社団法人「トロン協議会」を中心に押し進めら れ,文部省や通産省が教育用コンピュータのOSとしてTRONの応用分野の 1つ,B-TRONを採用する方針を打ち出したところで俄然各関係メーカー も色めき立ったが,アメリカからの横やりであっけなくその構想が崩れて以来, どうなっているのかよくわからない。 なお,人間工学的に考案されたとかいう「TRONキーボード」なるものが あり,フェアなどの場で展示されていたが,生物学的には考慮されていても, 私の狭い家には向かないように思われた。 ■TSS (→ 21: 文章編8 参照) ■UNDO(アンドゥ) (→ 04: アンドゥ(UNDO) の項参照) (→ 23: 操作系の用語あれこれ の項参照) ■UNIX 「ユニックス」と読む。AT&Tのベル研究所で開発されたOS。DEC社製 のミニコンの名機,PDP-11に搭載されて以来,ワークステーションと切っ ても切れない縁となった。 「概念や操作は複雑だが,少数の水準の高い技術者にとって機能が高くて使い やすい」色合いの強いOSで,マルチユーザー(複数の人間が同時にアクセス できる),マルチタスク(複数の仕事を同時に管理できる),パイプやリダイ レクション,階層ディレクトリなどの強力なファイル管理等々,数々の新機軸 を打ち出し,当時のコンピュータマニアは「いつかはUNIX」と夢見たもの だった。また,パソコン上のOS,DOSに及ぼした影響も大きい。 最近はワークステーションとパソコンの境界があいまいになったため,個人 でNeXTを購入したなどというマニア(コレクター?)がいたり,パソコン 上にUNIXライクなOSが開発・移植されたりでUNIXが身近な存在にな ってしまい,嬉しい反面,寂しい気がしないでもない。 なお,現在最も広く開発に使われているC言語,これはUNIXそのものを 記述するために開発され,UNIXと平行して進化したプログラミング言語で ある。 (付記:現在,TOWNSにはUNIX系のOSの一種であるLinuxが移植さ れ,開発者による注目を集めている。) ■VRAM Video RAMの略で,「ブイラム」と読む。要するに画面を制御するため に準備されたRAMのことで,大雑把にいえば,パソコンの画面出力は,この VRAMのある部分に何かを書き込めば色や文字を表示し,またある部分に何 かを書き込めば消える,というような仕組みになっている。 ■WYSIWYG 「ウィズウィグ」くらいに読む。What You See Is What You Getの略 で,画面上にあなたがご覧のとおりにプリンタなりから出力いたします,とい うソフトの仕様のこと。たとえば,FM-OASYSや一太郎のようなワープ ロで作成した文章(+図形などのグラフィックデータ)をプリントアウトする とき,画面上のイメージと印字結果が異なるため,狙いどおりに出力するため にはかなり苦労するが,これに対し,画面上で極力プリントアウトに近いもの を表示しようとする考え方が,このWYSIWYGである。 この考え方は,Macintosh上のDTP(デスクトップパブリッシング)ソフ トで実現された。当節話題のMS-Windowsは,IBM PC系のマシンでこの WYSIWYGを真似っ子しようとした結果登場してきたという側面も否めな い。 ■Z80 ザイログ社の8ビットCPU。「ゼットハチマル」「ゼッパチ」と読む。か つて,モトローラの6809との闘い(ユーザー同士の代理舌戦)は熾烈極まりな いものがあった。 夏草や つわものどもが 夢の跡